H2A打ち上げ成功

H2Aロケット7号機、打ち上げ成功…衛星を分離

宇宙航空研究開発機構JAXA)は、26日午後6時25分、気象観測などを行う運輸多目的衛星(MTSAT)新1号を搭載したH2Aロケット7号機を鹿児島県南種子町種子島宇宙センターから打ち上げた。

 ロケットは40分後に衛星を分離、予定軌道への投入に成功した。H2Aの打ち上げは、2003年11月の6号機失敗以来1年3か月ぶり。

 基幹ロケットの信頼性回復への一歩を踏み出すとともに、国際貢献からビジネス参入までにらんだ日本の宇宙開発計画も新たなスタートを切った。

 予定より1時間16分遅れの打ち上げで、7号機は秒読みの後、太平洋上空へ飛び立った。第1段、第2段の各エンジン燃焼と切り離しに続き、午後7時5分、南太平洋上空約2000キロ・メートルで衛星を分離した。

 MTSAT新1号は、27日未明に、まずアンテナ部分の展開を完了した。

 MTSAT新1号は、老朽化した気象衛星「ひまわり5号」の後継機。気象観測のほか、太平洋上の航空管制などにも使う。今後10日ほどかけて高度3万6000キロ・メートルの静止軌道へ移行し、順調にいけば、5月末ごろに運用が始まる。

 JAXAは、6号機失敗の原因となった固体ロケットブースター(大型補助ロケット)のノズル(噴射口)の改良をはじめ、点火システムの設計変更や飛行データ受信設備の増強など77件の課題について対策を施し、万全の態勢で臨んだ。

 ◆宇宙開発、空白の1年3か月◆

 H2A打ち上げの中断期間は1年3か月にもわたった。1号機から5回連続の成功後、2003年11月に6号機が失敗。同時期に、JAXAが開発した環境観測技術衛星「みどり2号」機能停止と火星探査機「のぞみ」運用断念もあり、日本の宇宙開発全体に長い空白を生んだ。

 文部科学省宇宙開発委員会は3つの失敗を精査する調査部会を27回、ロケット再点検の専門委員会を14回も開いた。JAXAの業務も見直され、ロケット、衛星の製造企業との責任分担を明確にするよう求められた。

 結局発見できなかったが、6号機の固体ロケットブースターの海底探索に3か月をかけた。改良型ブースターの地上燃焼テストも3回実施した。国の基幹ロケットだけに信頼性向上にかけた費用は80億円にものぼる。

 予算と人員がH2Aに重点化されたことで、2月に予定していたエックス線天文衛星の打ち上げは夏まで延期、地上の位置測定などに使う準天頂衛星計画も足踏みしている。

 ◆H2A=旧宇宙開発事業団が1996年に開発を始めた2段式の大型ロケット。燃料は液体水素と液体酸素。基本仕様では約4トンの静止衛星を打ち上げられる。

 全長は約53メートルで、17階建てのビルの高さに相当。7号機の打ち上げ時の重さは約320トン。
(読売新聞) - 2月27日2時8分更新

気象衛星がとりあえず軌道に乗ったことはよかったことです。
でも、静止軌道にのるのはまだまだだそうですね。
このことも含めて、この気象衛星が動いているかどうかはあんまり取りざたされていません。
多分ちゃんと動くと思うのですが、打ち上げ成功ばかりに意識が行き過ぎていて、今回の報道はどうかなと思っています。
きちんと衛星が動くのを確認して、はじめて成功と言っていいと思うのですが。
前の火星探査機のように動かないということもありえますから。
まぁ、運用が5月予定だからまだまだ検証が必要なんでしょうね。


国の威信なんてあってないようなものですが、国対国のところでは必要なんでしょうね。
少なくともH2Aロケットは日本の軍事カードとしての意味合いもありますし、宇宙開発で他国よりもイニイアチブをとれるものだったりしますからね。


メディアが鼻息荒く伝えるのも理解できます。
でも、伝えている側がどれだけ必要性を認識していることでしょうか?
また、誤解を招くような報道は止めて欲しいですね。