近代の戦争

中世、洋の東西を問わず戦争は日常茶飯事でした。
その戦争と近代の戦争はどう違うのでしょうか?


中世の戦争は騎士や武士といった支配階級が戦争の主役でした。
戦争は彼らの領地を拡大させ、出世する手段でした。
農民といった支配される側は、大抵、農民たちは税さえ軽ければそれでいいと考え、支配者が誰になろうがたいして関心がなかったと思われます。
勿論、農民の中には戦争は出世のチャンスや戦争特需の恩恵をあずかれると考えるものもいたことでしょう。
総じて、中世の戦争は支配階級の覇権争いであったり、賠償金をせしめたりする手段でありました。


近代に入るにつれ戦争の質が変化してきます。
一番大きな変化は西洋の国家が民主主義という政治体系を取るようになったことです。
これは国家元首の判断が国民の総意になるようになりました。
そして近代化による兵器の工場生産によって、戦争は戦地だけのものでなくなりました。
ようするに、戦争は国家間の総力戦になってしまいました。
また、その戦争を終わらせる方法が難しくなってます。
第一次、第二次世界大戦、そして以降の戦争がそうなっています。


戦争は起こしてはならない等のことはよく聞きます。
しかし、なぜということについてはあまり語られません。
はっきりと言える事は、戦争は始めるのは簡単だが終わらせるのが難しい、そういうものだということを。
そして、そこに生けるものが死に、弱者が総じて被害を被るのを。
その覚悟が双方にあるなら、もはや止める理由がないでしょう。