人権擁護法案

人権擁護法案
自民、調整で混迷 メディア規制から国籍条項問題に

 政府が今国会に再提出を予定している人権擁護法案が、自民党内で迷走している。18日の法務部会・人権問題調査会の合同会議は三たび紛糾し同法案は自民・公明両党の「人権問題等に関する懇話会」(座長・古賀誠自民党元幹事長)に事実上差し戻された。当初はメディア規制問題が焦点とみられていたが、北朝鮮による日本人拉致問題にかかわる若手議員らが国籍条項を求め原案を批判。同党幹部から「今国会での提出は厳しい」との声も出始めた。(2面参照)

 「このまま一任してくれと言って、了解してくれるんですか。そうじゃないでしょ」。18日の部会で古賀氏は語気を強め、法案修正について与党懇話会で再調整する意向を示した。しかし、若手議員数人が納得せず、「議論の経過を与党懇話会で説明しつつ、部会の審議も継続する」との妥協案で収められた。

 同法案の争点は当初、(1)新たな人権侵害救済機関となる人権委員会法務省の外局に設置する(2)メディアによる人権侵害についての特別救済措置を凍結する−−の2点とみられていた。公明党とのすり合わせも済ませており、自民党執行部は「党内手続きはすぐに済む」と踏んでいた。

 ところが、合同会議が始まると状況は一変。10日から3回開かれた合同会議で反対派は、政府・与党が想定していなかった「人権擁護委員の選考」に批判を集中させた。

 北朝鮮による拉致問題を念頭に、拉致議連の若手メンバーらは「外国人が委員になれば、人権救済の名のもとに逆に人権侵害が起きかねない」と批判。拉致議連も17日、「経済制裁を求めることも在日韓国、朝鮮人の人権侵害を助長したと解釈されかねない」と同法案を疑問視する声明を出した。合同会議では、こうした批判に地元で部落解放同盟と対立する議員が「特定団体のための法案だ」と同調する構図になっている。

 一方、公明党はすでに部会レベルで法案を原案通り了承。永住外国人地方参政権を付与する法案を提出していることから、同党幹部は「国籍条項の追加は受け入れられない」と語る。与党懇話会メンバーの東順治公明党国対委員長は「議論が感情的になっているきらいがある」と自民党内の議論に反発している。【松尾良、木村健二】
毎日新聞 2005年3月19日 東京朝刊

いろいろと問題があるそうです。
日本は人権について問題がある、と批判されてのことらしいですが。
きな臭い匂いがします。