ドラマ:新撰組!
今回は新撰組!について。
私の評価は思っていたよりも良かった、です。
青年たちの軽さというか、あぶなっかさというか、そんな雰囲気は出ていたと思います。
この点は高く評価したいです。
特に一度思いつめるとすぐに行動してしまったり、過ちを犯しては反省の繰り返しとか、時代を超えた若人らしさが出ていたと思います。
土方歳三(山本耕史)はまさしくはまり役だったんではないんでしょうか。
容姿、演技ともに申し分なかったです。
山南敬助(堺雅人)や斎藤一(オダギリジョー)、永倉新八(山口智充)、原田左之助(山本太郎)もおもしろかったと思います。
特に堺雅人さんはこれで知ったのですが、なかなか忘れられない人ですね。
(役に欲を言えば、もっと神経質ぶりを期待してたんですが)
芹沢鴨(佐藤浩市)なんかの破天荒ぶりは、このひとしか出来ない演技でした。
ただ惜しい点があります。
それは、近藤勇が香取慎吾だということです。
近藤勇は写真を見る限りでも、ごつい男で無骨です。
その雰囲気が、残念ながら香取慎吾にはありませんでした。
逆に、いい男が多かったのはこの点をぼかすためだったかもしれません。
それ以外は実物は不細工ぞろいの新撰組なんですが、それはドラマなんでご愛嬌。
あと、あんなにさわやかに描くのはちょっと考えようがあります。
なぜかというと、冷酷な殺人集団でもあるという側面があるためです。
しかし、今から振り返ってみると、新撰組も時代の要請だったようにも思えます。
考えてみればこの時代、新撰組や薩長も自身の立身出世のために国策を利用していたように見えます。
そのなかで、唯一といっていいほど無縁だったのが、坂本竜馬ではないんでしょうか。
新撰組の最後は決して幸せではありません。
幕府軍が不利になるにつれ、ほとんどのものが抜けていきました(永倉、原田等の有名隊士も)。
そして、近藤は斬首、土方は戊辰戦争で近藤の後を追いました。
永倉と斎藤など、生き残った人はほんの一握りしかいません。
修羅の道とはこのことかな。