科学と技術

科学(science)と技術(technology)と言う言葉がありますが、日本ではよく科学技術として一緒くたにされています。
技術をtechnique、科学技術をtechnologyと辞書ではあります。
本当は、科学を自然科学と、技術を科学技術として使うのが英語としても正しいと思いますが、その微妙な意味合いは少し置いておきまして話を進めて行こうと思います。


科学という言葉は略語で、大抵自然科学のことをさしています(sience)。
この他にも人文科学(文学や哲学など)、社会科学(政治等)があり、自然科学をあわせたものを科学と言うこともあります。
これらのスタンスとしては、本質は何かを追求するということです。


一方技術というのは字のごとく、技と術です。
ようはやり方についてのことです。


西洋では科学はアカデミーが、技術はギルドが取り仕切ってきました。
そして近代に入って相互依存の関係が生まれることになったのです。
それまでは、きちんと分かれていたものであります。
ようは科学と技術は別物であります。


日本では明治維新から科学と技術が西洋から本格的に輸入されるようになります。
多分そのころからだと思いますが、一緒くたにされたまま今に至ると考えています。


今の政治家の大半は科学や技術に疎い人たちです。
それは今の政治家たちが何を専攻したのかを見ると明らかです。
ファイヤーウォール*1がなんたるかすら知らずして個人情報保護法案を審議してたなんて信じられません。
ナノ*2ときいてもぴんとこないそんな人たちが研究費やらを決められるのは、どう考えてもおかしいです。


思うに、もう文系や理系といった分け方はやめましょう。
経済で数学を使わないわけにはいかず、数学そのものは文法でもあります。
昨今物理モデルを実社会に当てはめてみたりと、各学問同士の垣根を越えた研究がされています。
そういったことになっていることを知らずして、大学や学校といったものを決められるのは辟易してます。

*1:直訳で防火壁。通信で外部からの不正なアクセスを防ぐために設定される機能やシステムのこと。

*2:10^{-9}、すなわち10億分の1のこと。大抵はそのあとにつくメートルが略されている。